私がアンガーマネジメントを広めたいと思うきっかけになった本をご紹介しま
す。
日本アンガーマネジメント協会代表安藤俊介の『イライラしがちなあなたを
変える本』(2010、中経出版)です。
まず何か一冊と思ったらこの本をお勧めします。
アンガーマネジメンでは自分の「べき」を見つけてその「べき」を見直すという
ことが大きな柱になっています。
例えば、あなたが「一回言ったらわかるべき。」という「べき」を持っていたとします。
この場合、
「一回言ったくらいではわからない。」
「そういえば自分はあの件については何度聞いても覚えられない。」
等と、「べき」を見直すと怒りが和らぎます。
講座では、参加者の話を聞く中で自分の「べき」が狭かったとか、こんな考えもあるんだと思い、「べき」を見直すことができます。
この本は、講座ではうまくできたが家に帰って一人でやってみるとうまくいかない、講座に出る前にまずは自分でアンガーマネジメントに取り組んでみたい、と思う方ににぴったりの本です。
この本では、「べき」を見つけたらそれを書き直す方法として六つの方法をあげて
います。
1.ビリーフチャンプルー
2.自分ルール
3.Yes we can(なせばなる)
4.正義の味方
5.コイントス(二元論)
6.悲劇の主人公
すべてを紹介すると長くなりますので、ここでは一つだけ紹介しましょう。
ビリーフチャンプルーです。
次のような状況を考えてください。
「あなたの仕事が立て込んでいて、毎日残業。ところが部下が『お疲れ様』と先に帰ってしまいました。」
ここでイライラするあなたの「べき」は何でしょう。
「上司が残っているなら部下も残るべき。」
「帰るのはいいとしても何かひとこと言うなど気を使うべき。」
このような「べき」は「ビリーフチャンプルー」という種類の「べき」に分類されます。
「ビリーフチャンプルー(信念の混乱)」とは「権利」「欲求」「義務」が区別できていないことです。
「上司が部下に残業して欲しいのは上司の欲求。」
「残業する用事がなければ帰っていいのは部下の権利。残業する義務はない。」
「残業してでもしなければならない仕事があればそれをするのは部下の義務。それを伝えるのは上司の権限(権利)。」
このように考えると「べき」は次のように書き換えられます。
「上司に気を使って部下も残業しなくてもよい。」
「部下には部下の仕事のペースがある。」
「自分の仕事が終わっているなら、問題ない。」
さて、夫(妻)が片付けをしてくれなくてイライラする、片付けはあなたの欲求です
か、夫(妻)の義務ですか。
メールになかなか返事がこない、メールの返信はあなたの欲求ですか、相手の義務ですか。
答えは場合によって違うと思います。
もし、相手が何かしてくれないことにイライラしたら「権利」「欲求」「義務」のどれであるかを考えてみてください。
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