前回の伝わる話し方の続きです。
伝わるように話すには、事実、感情、提案、結果にわけて話してくださいとご説明しました。
今回は、事実について説明していきましょう。
まず、「いつも」という言葉は使わないようにしてください。
(部下に対し)「君はいつもメールの返事が遅いよね。」
(お子さんに対し)「いつも宿題しないよね。」
でもよく考えてみましょう。
本当に「いつも」でしたか。
部下は、24時間以内にメールを返したことは一度もありませんか。
お子さんは小学校に入ってから1回も宿題をしたことがありませんか。
そんなことはないはずです。
「いつも」というのは事実と異なることに気づくはずです。
もし、本当に入社以来すぐにメールを返したことが1度もないとか、小学校に入ってから1回も宿題をしたことがないとしたら、それはもうそういう方針で生きているか、何らかの問題が隠れているはずです。
問題というのは、例えば、外出が多いのでメールの返事ができないとか、宿題は一人ではできない、まだ親が手伝う必要があるとかです。
このような場合、元々の問題を解決しない限りは言ったところでどうにもならないでしょう。
このほかに「絶対」「何万回も言ったよね」なども事実を表していない言葉です。
1日3回言っても1年で1000回にしかなりませんから、1万回言おうと思ったら1日3回で10年かかります。
1日6回言っても5年間毎日続けなければなりません。
それでは、事実を正しく言おうということで次のような言い方はどうでしょう。
(部下に対し)「君は電話を取るのも遅いね。いつも7コールくらいで取っているよ。」
(お子さんに対し)「先週は水曜と金曜の2回宿題をやらなかったよね。今日もまだ宿題をやっていないよね。」
もうお気づきのとおり、この場に関係のないことや過去のことを言っても、うるさいだけです。
「今、ここ」のことだけを言うことにしましょう。
つまり、こんなふうになります。
(部下に対し)「メールの返信が3日なかったよね。」
(お子さんに対し)「まだ宿題をしていないよね。」
まとめると
・「いつも」「絶対」「何万回も言った」など事実と異なることを言わない
・「今、ここ」のことだけを言う
ということになります。
まずは「言わないこと」に注意するだけでも大分、人間関係はよくなります。
次回は、「感情」について書いていきましょう。
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