伝わる話し方の続きです。
前回まで
伝わる話し方は、事実、感情、提案、結果にわけて話すことが必要です、
ということで、今回は感情について説明していきましょう。
前回までと同じくメールの返事が遅い部下と宿題をしないお子さんを例にとります。
感情について話すときは、「私」を主語にしてください。
相手が自分をイライラさせるのではありません。
メールが遅い部下や宿題をしない子供がいても「あの人は外回りだから仕方ないよね。」とか「子供はこんなもんだ。必要性を感じたらやるようになる。」
とか思っている人もいます。
つまり、自分の感情は自分の物の見方が原因で他人のせいではないのです。
だから「あなたのせいでイライラする。」とか「いっつも怒らせないでよ。(=あなたは私を怒らせている)」とかの言い方ではなく「私」を主語にした言い方をしましょう。
さて、やってみましょうか。
(部下に対して)
事実:メールの返信が3日なかったよね。
感情:私はあなたのことを社会人としてどうかと思うよ。
(お子さんに対して)
事実:まだ宿題をしていないよね。
感情:私はあなたのためを思って言っているの。
「社会人としてどうかと思うよ。」
「あなたのためを思って言っているの。」
これは、「私」が思ったことには違いがありませんが、感情とは違います。
「感情」とは「一言で表すことができること」のことを言います。
悲しい、苦しい、うれしい、楽しい、嫌だ、不安だ、などです。
文章になってしまうと感情ではない、と覚えておいてください。
ちなみに、「あなたのため」はよく聞く言葉ですが、私は一切信じません。
あんたの都合であんたが言ってるんでしょと思います。
それからこんな言い方はどうでしょう。
(部下に対して)
事実:メールの返信が3日なかったよね。
感情:私は早く返事して欲しいと思っている。
(お子さんに対して)
事実:まだ宿題をしていないよね。
感情:私は早くやって欲しいの。
これも文章になっていますし、感情ではなく、提案になっていますね。
提案は次の段階で行うことです。
「私」「一語」に注意して言ってみるとこんな言い方になります。
(部下に対して)
事実:メールの返信が3日なかったよね。
感情:(私は)メールが届いていないかと思って心配していたんだ。
(お子さんに対して)
事実:まだ宿題をしていないよね。
感情:(私は)早くやらないと心配なんだ。
私を主語にして、「心配」という感情を表す一語が入っています。
まとめると、感情は
・「私」を主語にして表現する
・「一言」で表せるもの
です。
伝えるなかでここが一番難しいのではないかと思いますが、「私」「一言」に
注意してやってみてください。
次回は、提案について書きます。
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