伝わる話し方の続きです。
前回まで
伝わる話し方は、事実、感情、提案、結果にわけて話すことが必要です、ということで、今回は提案について説明していきましょう。
前回までと同じくメールの返事が遅い部下と宿題をしないお子さんを例にとります。
さて、こんな言い方はどうでしょう。
(部下に対して)
事実:メールの返信が3日なかったよね。
感情:メールが届いていないかと思って心配していたんだ。
提案:心を入れ替えて仕事をして欲しい。
(お子さんに対して)
事実:まだ宿題をしていないよね。
感情:早くやらないと心配なんだ。
提案:もう6年生なんだからやる気を出して欲しい。
どちらも「行動」に関する提案ではなくて「心」に関する提案です。
しかし、メールの返事や宿題が遅いくらいで、仕事をいい加減にしていたり、やる気がないと思われるのはうんざりです。
メールの返事が遅いのは、他の重要な案件を優先していたのかもしれません。
宿題も今からやろうと思っていたのかもしれません。
私たちが見ることができるのは行動だけで、心は見ることができないのです。
心に関することは言っても仕方ないので行動に関することだけ言いましょう。
それではこんな言い方はどうでしょう。
(部下に対して)
事実:メールの返信が3日なかったよね。
感情:メールが届いていないかと思って心配していたんだ。
提案:早く返事をして欲しい。
(お子さんに対して)
事実:まだ宿題をしていないよね。
感情:早くやらないと心配なんだ。
提案:早く宿題をやって欲しい。
どちらも「早くして欲しい。」になりましたけれども、やっている方は、今の状態で問題ないと思っているわけです。
互いに「早い」の定義が違うわけですから、具体的に決めましょう。
つまり、こんなふうになります。
(部下に対して)
事実:メールの返信が3日なかったよね。
感情:メールが届いていないかと思って心配していたんだ。
提案:返事をするのに時間がかかるんだったら、受け取りました、だけでも返事をして欲しい。
(部下に対して)
事実:まだ宿題をしていないよね。
感情:早くやらないと心配なんだ。
提案:夕飯までにやってくれるかな。
これで具体的になりましたね。
まとめると、提案は、
・心ではなく、行動に関して提案する。
・具体的に提案する。
ということになります。
次回、結果について説明しましょう。
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