怒りは人を動かす便利な道具か

「怒っているとき、すごく自分に生命力を感じる」の話し、少し間が空いてしまいましたが続きです。

 

怒っているとき、すごく自分に生命力を感じる

アドレナリンと怒りの話し

 

前回のアドレナリンと怒りの話しで、怒る気も失せてしまったと思いますが、最後に「怒りは人を動かす便利な道具か」ということについて考えてみましょう。

 

答えは簡単です。

あなたの会社にいる感情を抑えることができず、あなたを怒鳴りつける上司、道でぶつかって怒鳴りつけてくる人を想像してください。

 

あなたは上司の意向に従い、道でぶつかった人には謝るでしょう。

つまり、怒りは簡単に人を動かせる道具です。

 

しかし、あなたは、

「今は怒っているようだから話にならない。取りあえず言うことを聞いておこう。」と思っているだけです。

心の底から納得して動いているわけではありません。

 

あなたの怒りであなたの指示に従うご家族もきっとそう思っていることでしょう。

 

ところで、うっかり中高年男性の読む雑誌を読んでしまうと「雷親父の復権を」

と唱える投書が載っていたりします。

曰く、「昔は人の子供でも怒鳴りつける雷親父がいたものだが、最近は見なくなった。地域の教育力が低下した。」というものです。

これに対し、子育て世代の読むような雑誌では

「息子に手を焼いています。うちの近所にも雷親父がいたら。」

などという投書や投稿はとんと見たことがありません。

雷親父候補の方では、

「人のことを社会公認で思い切り怒鳴りつけたい(そしてできれば感謝もしてもらいたい)」

と思っているのに対し、怒鳴られる方では全くそんなことは求めていないということがわかります。

 

怒りで人は動きますが、そんな道具はさっさと捨てたほうがいいでしょう。

 

ご質問者の方は

「怒った私を見た周囲(主に家族ですが)はすぐに動き出します。」

とおっしゃっていますので、恐らく家の中を散らかしているとかそんなことで怒っているのでしょう。

「出したらしまうべき」

「家の中はきちんと片付いているべき」

というような「べき」があって、それで怒りが生じ、アドレナリンが出ているのです。

怒るからアドレナリンが出ているのであって、アドレナリンが出るから怒っているのではありません。

 

つまり、怒りは生理的反応なので仕方がないとはいえません。

「出したらしまうべき」

「家の中はきちんと片付いているべき」

という「べき」が破られているのは、大げさに言うと価値観が崩壊する恐怖に直面しているわけですが、やはりそれは大げさで、大した恐怖でもないのに過剰に恐怖を感じ怒っているというのが正しい見方です。

 

(2)怒ってアドレナリンが出て気分がいいのだからそれでいいのではないか。

アドレナリンが出ると

「エネルギーがみなぎって疲れも吹き飛んで体がよく動き」

「言いたいこともズバズバ言え」

「怒っているとき、すごく自分に生命力を感じる」

いう状態になります。

 

それで物事が進むのだからそれでいいのではないか、と思ってしまいそうです。

しかしアドレナリンが出るということは交感神経が活発になるということです。

交感神経は、脳や体を活発にする働きを持ち、反対に副交感神経は脳や体をリラックスさせる働きを持ちます。

両者は適度に働く必要があります。

交感神経だけが働く状態は自律神経が乱れているという状態です。

自律神経が乱れているという状態はうつの前段階です。

したがって、質問者が言うように「便利な道具」かもしれませんが「これが恒常化するとしたら、ちょっと怖い」のです。

 

最後に怒りで人を動かすということについて説明していきましょう。

 

 

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