私が嫌いなものに精神論があります。
曰く
手作りおやつは愛情のしるし。
残業を断るなんてやる気がない。
自分の子供の入学式に担任をしているクラスの入学式が重なったら担任しているクラスの入学式を優先すべき。
いずれも自分を犠牲にして他者に尽くすことが求められています。
おやつの話しであれば、問題にすべきは
・栄養として適切なものか。
・分量は適切か。
・与える時間は適切か。
であって、手作りか否かは趣味の問題であるといえるでしょう。
残業の話も考えるべきは
- それは今日絶対しなければならないことか。
- なぜ今日絶対しなければならないことが今まで残っていたのか。
- 仕事の配分は適切であったか。
- どうしても今、急にしなければならないことであったとして、担当者にも私的な外せない用があったらどうするのか。そのような場合の対処を会社は用意しているのか。いつでも個人の頑張りに頼るのか。
ということです。残業を断ったらやる気がない、というのは会社が考えるべき責務を放棄して、個人に過剰な責任を負わせているといえるでしょう。
自分の子供の入学式と担任する子供の入学式が重なった場合、考えるべきは
- 担任する子に対し適切な代替措置が取られているか
であって、何が何でも仕事を優先せよというのは労働者の権利を侵害しています。
教師は聖職者とか言い出すのはやめましょう。
自分がそういう自負で仕事をしているのは構いませんが、美辞麗句で人に負担を負わせるのはやめましょう。
国会議員が育休を取る際に考えるべきは
- 国会議員が育休を取ることでその議員を選出した国民が不利益を被ることがないのか。
- 不利益を被る場合、その不利益を解消する方法はないのか。
ということであって、その議員の妻子に対する愛情度合ではありません。
妻子を愛している態度を見せれば育休を取りやすいというのは単なる処世術であってそんなことを制度の議論に持ち込んではいけません。
国民の不利益を解消する、ということに関して言えば、例えば、国会にいなくても国会中継を見て、投票はインターネット経由でというようなことも考えられます。
この機会にこのようなシステムを構築しておけば、足を折って1週間だけ登院できないという議員にも役に立つでしょう。
気をつけてください。
男性の育休取得に水を差さないように、(皆さんが手作りおやつを作らないから愛情がないと言われたり、家族を犠牲にして仕事をすることが求められたりしないように)制度の議論において妻子への愛情度合なんてことを問題にするのはやめましょう。
問題にすべきは、そのことでどんな不利益がでるのか、不利益を最小にする方法は何か、ということです。
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いつも事実と感情を分けろ、と言っていますが、
これは感情と制度を分けろですね。
事実と感情を分けることはこのあたりを参考にしてください。