発達障害の人に対するアンガーマネジメントを教えてください、というご質問を立て続けに何件かいただきました。
発達障害とアンガーマネジメントについて何回かにわけて説明していきます。
今日はまず、発達障害について知っていきましょう。
発達障害とは、学習障害(Learning Disorders:LD)、注意欠陥多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:ADHD)、広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD)、を指します。
学習障害とは知能に遅れはないのですが、読み、書き、計算するという特定の能力に課題があるものです。
注意欠陥多動性障害とは、注意欠如(すぐに気が散る、忘れっぽい)、多動性(落ち着きがない)などが特徴です。
広汎性発達障害とは精神機能の広い領域にかかわる発達障害という意味です。
次のような診断基準があります。
(1)社会性の障害
(ア)アイコンタクト、表情、身振りなど、言葉以外を使ったコミュニケーションが
うまくできない
(イ)発達に応じた仲間関係をつくれない
(ウ)悲しみや興味あるものを人と分かちあえない
(エ)人の気持ちが理解できない
(2)コミュニケーションの障害
(ア)話し言葉の発達の遅れ
(イ)人とスムーズに会話を続けられない
(ウ)オウム返しやその子独特な言葉づかいをする
(エ)その年齢にあったごっこ遊びやものまね遊びができない
(3)想像力の障害
(ア)特定のものに、異常なほど興味や関心が偏っている
(イ)決まった習慣や儀式にかたくなにこだわる
(ウ)同じ動作を何度も繰り返す
(エ)ものの一部に熱中する
こうやってみると
「自分も人とスムーズに話ができない」
とか
「いつも靴は右足から履くことことにしている」
とか
あてはまることはあると思います。
もちろんいくつかあてはまったからといってただちに発達障害ではありません。
しかし、普通の人にもあることなので、障害とは気づかれないことも多く「本人の努力不足」「親のしつけが悪い」などとされてしまうこともあります。
発達障害と怒りですが、
「決まった習慣や儀式にかたくなにこだわる」
という性質から
「いつもの順番で支度ができないとかんしゃくを起こす」
「予定外のことが起こるとパニックを起こす」
という形で出てくることがあります。
また、「コミュニケーションの障害」として比喩やあいまいな表現、冗談が理解できないということがあります。
「馬鹿だなあ」と親しみを込めていったのに本気で怒る、というようなことが出てきます。
行動としては、
「コミュニケーションの障害」
があることから
「自分の言いたいことが伝わらない場合に手を出してしまう」
ことがあったり、この気持ちが自分に向かってしまうと自傷行為となったりします。
次回、具体的な事例についてみていくことにしましょう。
■講座のご案内
アンガーマネジメント入門・応用講座、【託児付】アンガーマネジメント入門講座、お申し込み受付中です。
お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。
■出張講座
皆さんの街に出張します。
お気軽にお問い合わせください。
アンガーマネジメントに関する書籍はこちら。