保育園を増やせ、と怒っている人に会いました。
この人は正確に言うと
「(料金の安い)認可保育園を増やせ。」
と怒っているわけです。
でもなあ、こういう怒りは実を結ばないかも、と思います。
東京都では、0歳児1人当たりの保育費用として毎月15万円を補助しています。
「私が活躍するために」
補助金を月に15万も投入しろ、というのはやっぱり無理があるんじゃないかなあ。
「3歳までは親が育てるべき」
というのと大して変わらない主張じゃないのかなあ。
財源のことを考えたらこちらの方がまともな主張のような気さえする。
では、どうすれば。
・将来に影響を与えるのは高等教育よりも幼児教育であることが知られています。
(参考文献:中室牧子(2015)『学力の経済学』)
・保育園の増加は出生率を上げることが知られています。
(参考文献:Fukai(2016)"Childcare availability and fertility: Evidence from municipalities in Japan")
保育園が出生率をあげるのは当たり前だ、と思うかもしれませんが、
・結婚した人は、今も昔も2~3人の子供を産んでいる。
・出生率が下がったのは、結婚していない人が増えたからだ。
という事実があるので、保育園は、親の就業援助にはなるけれど、出生率は向上させないのでは、という議論があったのです。
さて、そこで主張すべきは
・出生率を上げるために保育園を増やせ。
・幼児教育を充実させるために保育園を増やせ。
ということになります。
働いている人が保育サービスを利用できて、働いていない人が保育サービスを利用できないのはおかしいというか、働いている人(=お金がある人)にさらに15万円も補助を出すのは社会保障としておかしいんじゃないかな。
社会保障というのはあるところから取って、ないところに渡すものだから。
やっぱり主張としては
・出生率を上げるために保育園を増やせ。
・幼児教育を充実させるために保育園を増やせ。
しかないんじゃないかな。
そして働ける人も働いていない人も保育サービスは利用できるようにする。
そうじゃなければ教育にはならないし、そうした方が出生率はあがるんじゃないかな。
今でさえ保育園足りないのに何考えてるんだ、財源はどうするんだ、と思うあなた。
保育園への補助は一旦やめて料金を高くしたらいいですよ。
そして子供がいる人にはバウチャー(保育園利用券)を渡す。
そうですねえ。週3日分くらいのバウチャーを渡しましょうか。
あとの週2日は自分で払ってもらう。
あとの2日分の保育料が払える人は働くし、払えなければ働かない。
もちろん、働かなくては食べていけない人には週5日分のバウチャーを渡します。
働いていない人にもこのバウチャーは渡します。
だって、出生率を上げて子供に教育するためですから。
バウチャーは保育園に渡してもベビーシッターに渡してもいい。
料金が高いんだからベビーシッターの参入が増えます。
もちろん保育園の参入も。
参入が増えたら料金は安くなります。
需要と供給が釣り合う適正なところまで料金は安くなります。
いやいやベビーシッターなんか信じられない、認可保育園の方が信じられるという方、公務員のマーケティングに乗せられないでください。
今時、ベビーシッターもサイトで評価すればいいじゃないですか。
なんでもかんでも安くしてくれ、公的にやってくれと言っても税金増えるだけだし、私は自分で稼いだお金は自分で使いたいのよ。
いえね、子供の教育に投資するのはいいんです。
出生率をあげたいからそこに税金使いたいのもいいんです。
働かないと生活できない人に補助するのもいいんです。
でも活躍したいから補助金くれってそれ活躍じゃないでしょう。
もうさあ、そろそろ市場で解決しようよ。
■講座のご案内
アンガーマネジメント入門・応用講座、【託児付】アンガーマネジメント入門講座、お申し込み受付中です。
お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。
■出張講座
皆さんの街に出張します。
お気軽にお問い合わせください。
アンガーマネジメントに関する書籍はこちら。
□■□■□■□■□□■□■□■□■
既得権益にしがみつくような怒りはやだなあ。 怒ってもいいが、世の中を良くする怒りを。
参考文献