アサーショントレーニングについて面白い解説を読んだのでお知らせします。
ツイート主は広瀬隆雄さん。
株の営業マンを長年していた方で、現在はフロリダに住み、楽天証券など多くの証券会社で連載を持っています。
アサーティブネスとは相手にキツイ印象を与えない程度に自分の主張をしっかりと伝える会話術を指します。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
1970年代に書かれた本「When I say no, I feel guilty」で主張されたことです。(たぶん日本語訳は無い) pic.twitter.com/IIp1PN3whU
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
たとえば上司から理不尽なことを頼まれたとき、あるいは無理な転勤の辞令が出たとき、SNSでハラスメントにあったとき…そんなとき、巧く相手をかわしつつ、自分の主張は頑として譲らない話法です。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
何十年も前に読んだ本なのでかすかな記憶を頼りに書きますが、①Fogging(煙幕戦法)、②Negative assertion(批判に「そうだ」と言ってオシマイ、③Negative inquiry(どうしてですか? ともっと詳しく聞く)、④Broken record(壊れたレコード)、⑤I-statements(私は〇〇と感じた)などがあります
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
①Foggingは相手を煙に巻くやり方。具体的には相手が自分に対して批判や要求したとき、そのうちの限定的な一部のみに合意する手法です。相手を混乱させることを目的にしているのでわざとイミフなやりとりをします。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
「だめじゃないか!昨日〇〇商事に行ってちゃんと注文取ってこいと言ったのになぜおまえはこの程度の注文すら取れないんだっ!」
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
に対して:
「昨日、ちゃんと行きました、〇〇商事まで…」と自分でデキた部分だけを合意するわけです。
あるいは「昨日、部長はたしかに僕に〇〇商事に行けっていいました。それは僕もちゃんと聞いて直ぐ急行したんです」と言うことも出来ます。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
つまり相手に自分の人格の全否定をさせる隙を与えず、部分的にはたしかにやったことを認めるわけです。
そのようなやりとりをキッカケにだんだん話を逸らして、ちんぷんかんぷんな方向へもってゆくのがFogging。煙幕作戦です。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
②Negative assertionは「そのとうり!」と相槌を打つけれど、「だから?」の部分は絶対に相手に与えないやり方。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
例:「広瀬さんのやっていることは、嫌がらせです! やめてください!」
僕:「そのとうり!」「…………」「キミは全く正しい!」「………」
つまり相手の批判に同調するけど、頑として嫌がらせをやめようとしないわけです。これはSNSでのやりとりに効果的。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
あと僕がよく使う手は「ありがとーーーーーー!」と言う事。これは実際には相手には何も譲歩していません。とりつくしまがないので相手は去ってゆく。
Negative assertionでのポイントは「行動を伴わない」ということ。つまり悔い改めない。もっといえば、わざと不誠実にする。慇懃無礼。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
③Negative inquiryとは「え、どうしてそうなの?」「なぜそうだと言い切れるの?」という風に相手の質問に対し、質問で切り返すやりかた。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
例:「広瀬さんは、卑怯だ!」
僕:「え、どうして?」
「卑怯だから、卑怯なんです!」
「なぜ、そうだと言い切れるの?」「証拠あるの?」
そうやって相手の主張をフラグメント化させ、だんだんその論旨を切り崩して行くわけです。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
④Broken record これは壊れたレコードのように自分の主張だけを繰り返す手法。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
例:「キミは九州に転勤させる」
「九州はイヤです」
「キミねぇ、転勤辞令にそむくことはできないんだよ」
「九州はイヤです」
「会社というところはだね…」
「九州はイヤです」
このように壊れたレコードのように自分の主張を一点張りで繰り返すことにより相手を催眠術にかけます。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
⑤I-statement これは主語を「わたしは…」と明確化することで、「感じたままを発言したまで。」というオーラを出す手法です。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
例:「おまえの電話の掛け方は、なっとらん!」
「わたしは…これでいいと感じました」
この手法のポイントは、個人により感じ方はさまざまなので、ひとが何を見て、なにを聞いて、どう感じようが、それは個人の勝手。感じることと、仕事ができる、できない…ないしは正しい判断、間違った判断は別物。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
つまりfeelingのレベルにまで会話を落とすことで(どう感じたって勝手でしょ!)
というオーラを出すわけです。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
これら①~⑤に共通することは、肝心なポイントに関しては譲歩しないということ。最終的に「暖簾に腕押し」的な状況を作れれば勝ちです。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年8月25日
アサーティブネスは上司対部下などどう考えても劣勢な立場に置かれた人間が相手の無理難題に屈しない手法です。だから時にridiculousですがそれは意図通り
アサーションの本を読むと、「相手と良い関係を築くためにアサーションを学ぶ」などと書いていますが、広瀬さんは「上司から理不尽なことを頼まれたとき、あるいは無理な転勤の辞令が出たとき、SNSでハラスメントにあったとき…そんなとき、巧く相手をかわしつつ、自分の主張は頑として譲らない話法です。」「アサーティブネスは上司対部下などどう考えても劣勢な立場に置かれた人間が相手の無理難題に屈しない手法です。」と定義しています。
この定義は不真面目に見えるかもしれませんが、私は「怒る上司、お客さん、家族にどうしたらいいですか。」という質問をとても多くいただきます。
アサーションをこう位置付けると、広瀬さんの5つの技術がとても役に立ちます。
たとえば昨日の記事では相手の受け止めてるために、「がっかりさせて申し訳ございませんでした。」
「ご指摘いただき気付くことができました。」、怒りの流れるために「お怒りはごもっともです。」と言おうと書きましたが、これすら言いたくない、だってこちらは悪くない、と思う方もいらっしゃると思います。
ものの本には「共感しても同意はしない。」などと書いてありますが、怒っている上司に共感するなんてそもそも無理、したくない、と思いますが、「限定的な一部のみに合意して相手を煙にまけ。」と言われると、良し、煙に巻いてやろう、と思います。
アサーションも真面目に誠実に書いてある本が多いですが、こういう解説もいいですね。